ねずみ 清野雅巳 畝毎に 跡をつけながら 皺のない頬 国道まで出た 去年のこの頃 前に出たやつなら あるんだけれど 折れた釘と 煙草が剥がれない 携帯を閉じて トイレから出た 黒はありません 煙突のある所 十八金 この目のところに 当たってですね 怖かったですよ まだらの木漏れ日の 向こうに刈られた藪 潮の匂いを嗅ぎ 砂浜まで遠い