夢をみなくとも 軽谷佑子 夢をみなくとも からだは養われ 月がどこにあるかさえ わからない、 秋の落葉が こなごなになり 床に足のつかない 祖母は死に ひえた腕が 延々と結露する 生活のために思いえがく さまざまのこと 夜は人のために 目をあけており わすれたままにした ものの多さ 落葉が降り積り みえたものはうせ 月の出を待つ窓から 離れ