星座   落合白文
 

 
それを描くためには、鉛筆では華奢すぎる。
骨はどうだろう?
プラトンは幼少期、
チョークのかわりに死刑囚の指を与えられた。
地面に浮かび上がったのは
太古の人々が洞窟の壁に描き呪ったそれらや、
バスルームの鏡に殴り書かれた
親愛なる口紅文字のようだった。
そして彼は母親からの言いつけを守り
ごまかしや嘘をなくすために
作品を完成させるまで誰とも口をきかなかったし、
父親がそうであったように
昼夜問わず、路上でぶっ倒れていることもあった。
自らの影に首を絞められた、とかじゃなく
星座に頭がぼうっとなって。

啓蒙主義の心理学者は、忙しなく
自らの指と会話する。
わたしたちは作品ではなく
むしろ会話の中に、
登場した。


 
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