春眠 細川航 きみはもうすぐ生きられる、雨のいろが虹に注いでいる 虹のいろも雨にとけこんで、きっとそこだけにしかない 薄闇色がある 触れないよう、僕の指を切り落としても 触れられない、やさしいという言葉を自分を呪い殺して も愛す、触れてくる、手が誰のこととも分からない霧の なかに飛び込むと春なのに、ろくがつの紫陽花が もう よろこんでいる