第一楽章「陸に上がった鮒の息」 市村マサミ
どす黒くはれぼったい肝硬変の太陽が目を覚まし
減速するシガーの秒針。
守備範囲を広げ始めた死。
爆砕された天空に首を突きこんで星を喰らう青いきりん。
そのふもとでポップなラブソングを奏でるヒッピー然とした若者に
甘酢餡をかけたい。
リミッターを外せ
取扱説明書とゼンマイ仕掛けの希望をアシッドミックスした
腸捻転のフラストレイションを行書体で書写する仙人気取りを
トカレフで射殺する。
その呪縛から湧き出した小人の楽団が尻を振りながら
顎を突き出して振り上げられたタクトに従い奏で始めた第一楽章。
「雨曝しの便器と向き合う必然のクロスカウンター」