商品の組み立て  早坂恒



てらされたカップ。蛇口のした。
といわれた男
その足でSEVENのSignsを買い
あかりのともった夜が終わるころ
ガム咬んで捨てるペッ

君は「重要なことなど
何ひとつ重要ではないのだ」
といわんばかりに
博士みたいに指ぴんとたてて眼をつぶる さししめす
男が気持ち悪そうなのを僕は見てる


店の中はあかりと暗さがいりまじってる
十七歳の心霊と僕と男と君がいる
店長は商品を組み立てている
きっとフィルムはそれをうつす

「カップのしたに銀色の君がいて
僕の動きにつれて頬や髭が見える」
と僕は考えてる

それから年齢のことを考えると泣けて
心霊のために向きを殺す






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