一声  細川航

 

のどが渇いている感じがひどいので
冷たい水をとりにいく
けれど
そうではなかったようで

天文台で流星群を見た
大きな声があがっていた
ねがいごとをきかれて、そうだな
ねがいごとは 
あるかな

眠りの森を抜ければ、みつばたけがある
そのようにおもう
寝台にて
目を閉じて
そこでは、祈りのことばもあたらしい
息をのむ
間もないくらいに

ヘッドフォンで
朝にたたいたドラムの音を聞く
ブナの木は、とても澄んだ音がする
憂鬱な音、とおもう
けれど
口にすると違うだろう

眠りに落ちる
寸前に
再生機を切る




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