秋声   萩原健次郎



秋降る哉

パンクなジュースの絶叫で、
淵の岸壁では、ひらひらと薄布が
ちぎられては、飛び、
飛びちって、蝶岸ちょうがん蛾湾がわんに。

鱗翅目系統の波止場は、マドロス帽でいっぱいだ。



吾の肋骨

金管のサックスの管に入り、それは逃れられない月夜でもある
ので、ジビエを漁る。
闇夜の茸、茸を狙う、栗鼠、栗鼠を追いかける、猪、
猪を天上から見張っている雉。



水染みて

雉、ストーカーだった。

烏賊の爆撃では、繊い糸状の液体が地上に落下するだけで、人
間の肉は、とにかく柔らかく、男も女もその硬度においてさほ
ど違いはなかった。

突っ込んだ
ジュラルミンは、ホーチミンの市民で。

白髪葱は、言葉の通り髪の毛の細さに刻んで乗せろ
とか五月蠅い。



汲む、粗夜そや

人声を炒めてねえ、

粉吹き芋の言うことは、信用しちゃいかんよ。
黄太郎は、赤太郎の甥で
桃太郎は、鳩子の従姉妹で。



杯は、寝ころぶ。

こんがらがっても
いためてね
まぶしてから
くさらせてよ
うめてや
さかせてな
しんでよお
いきてばってん
ばくげきしてからに
ほろぼしてもた

酩酊の頃に
季節の一声を聴く。
酩酊の葉は、
急速度に落下する。



 
inserted by FC2 system