降誕祭 青野直枝
たゆたいの波が
かたちをつくる時
ト音を口にした子供たちが
其々の影法師の手をとる
闇は白過ぎて
瞬きすると忽ち其処ではなくなる
みんな輪になって
唄をうたい始めると
かたちは数を数え出して
次々 思惟の石にぶつかる
両面張りの鏡が
上下を映したとき
より低く映るのは
空なのか海なのか
もういなくなった彼らが
浜辺に影たちだけ置いて行った
ごらん、それらまた輪になって
カテドラルの鐘の音に合わせて
ダンスするよ
小さく握られたその手に
選りすぐられた礫はない
子供たちはみんなベッドの中で
ぬいぐるみやら 枕やら
そんなものに囲まれている