期待 清野雅巳 貯水池に霧が立ち ベランダは錆に凝っていく 黒筋の走る壁面には 大小のパラボラアンテナ 道脇には緑地帯 影に沈むキョウチクトウ 休日なのに人気がない 誰もいなくなってしまったのか この先 何か起こりそうな 期待はしぼんでいくばかりなのに どこかでほっとしてやしないか