漂流 落合白文 浜辺に白紙が漂着する。 それは昨日、 僕が君に貸した本の1ページ。 文字はもちろんコーヒーのシミさえ無くなり 大海で起こりうる時間の消失を実証するのに十分だった。 もしくは、甲板から岸辺を探す 望遠鏡のように丸めて覗いた1枚の紙。 それこそが、 僕が君に貸した本の1ページだ。