無言歌 iv    細川航
 

 
いつか緑だと思った 
歌をかきあつめながら 
こんなにも殺してきた僕と 
僕と僕の墓を蹴る 
もう、あの雲はなく 
あの雨は降らない 
あの日、あの歌を歌えた 
君に聞こえていた 
このせかいの 
聞こえなく 
歌えなかったことが 
雨と美しいと思う 
野辺に 
花は死んでしまえと咲きますように

 
 
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