ノウンランド 軽谷佑子 長い夏のため 備えあけたことの ない戸さえ あけ 野辺にみちる 湿りはかれた息 せいかつは速度を まし 役に立たぬ もののため 備え肉体は あまりにもたやすい それらおびただしい 土地を踏みあらす たおれた草のうえあるく もののかげ 長い夏のため 備え蛇になり土竜になり わたしたちをおびやかす もののため